歴史小説を読むなら、直木賞も受賞した司馬遼太郎ですが、たくさんある司馬遼太郎の作品の中で、どの時代が一番に面白いと思いますか?
やはり戦国時代が一番だと言う人も多いだろうけど、実は幕末から明治の作品が、司馬遼太郎の中で一番に面白いんですよ。
そこで今回は、司馬遼太郎のおすすめ作品の中から、激動の幕末から明治の時代の作品を全部で9個ほどご紹介します。
自分も司馬遼太郎の作品に出会う前は、戦国時代が一番だと思っていたけど、幕末から明治の作品を読んだら一番が変わってしまいました。
司馬遼太郎の作品で戦国時代しか読んでない人や、これから司馬遼太郎の作品を読もうと思っている人は、ぜひ幕末から明治の作品を読んでください。
竜馬がゆく(全8巻)
真っ先にご紹介したいのは、坂本竜馬が主人公でドラマにもなった、司馬遼太郎作品の中で初心者におすすめの『竜馬がゆく』です。
『竜馬がゆく』は、男性だけではなく女性にも読みやすい幕末の作品になっているので、初めて司馬遼太郎作品を読む人におすすめ。
ただし、『竜馬がゆく』の中には、フィクションの部分がたくさん出て来るので、本物の坂本竜馬と勘違いしないようにしてください。
燃えよ剣(全2巻)
次におすすめしたい司馬遼太郎作品は、幕末のサクセスストーリーのような、新選組の副長・土方歳三を主人公にした『燃えよ剣』です。
今で言う東京の多摩地域おの農家に生まれた土方歳三が、新選組の副局長をへて最終的には、幕臣まで上り詰める幕末の立身出世の作品。
『燃えよ剣』を読むと、女性だけではなく男性も土方歳三に惚れてしまくらい、本当にカッコいい男だと分かるでしょう。
最後の将軍 徳川慶喜(全1巻)
生い立ちを知ると、徳川慶喜が大政奉還を選んだ意味がなんとなく分かるのが興味深い、『最後の将軍 徳川慶喜』もおすすめです。
NHKの大河ドラマ『徳川慶喜』の原作になっており、ドラマを見てから徳川慶喜がどんな人物か、興味を持った人も多いでしょう。
『最後の将軍 徳川慶喜』は、全1巻だけしかないのでちょっと物足りない気もしますが、徳川慶喜の生い立ちを知る上で重要な作品になっています。
殉死(全1巻)
『竜馬がゆく』のような面白さはないけど、明治時代の終わりの歴史を勉強する上でおすすめなのが、乃木希典が主人公の『殉死』です。
歴史に興味がない人でも、東京にある乃木坂や乃木神社くらいは知っているはずで、その乃木神社に祀られているのが伯爵の乃木希典陸軍大将。
『殉死』を読むと、乃木希典を神として崇めることが正しいことなのか、かなり考えさせらえてしまう内容になっています。
峠(全2巻)
幕末の英雄と言えば、薩長土肥の志士を真っ先に思い出すけど、世間にあまり知られていない人でおすすめなのが、河井継之助が主人公の『峠』です。
河井継之助は、越後長岡藩家老の職に就いていた藩士で、先見の明を持っていた人物ながら、最後の選択を間違えてしまい悲劇の英雄になってしまう人物。
『峠』には、史実と異なる内容も含まれているので、司馬遼太郎の創作と史実を、混同しないように注意しながら読みましょう。
坂の上の雲(全8巻)
司馬遼太郎作品の中で、最も人気があると言われており司馬遼太郎ファンなら、誰もがおすすめ作品として紹介するのが『坂の上の雲』です。
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」で有名な正岡子規、日本陸軍の秋山好古、日本海軍の秋山真之の3人をベースに、明治時代を描いています。
学校で歴史の勉強をしていても、あまり日露戦争は掘り下げないと思うので、日露戦争を知る上でも意味のある作品ではないでしょうか。
世に棲む日日(全4巻)
吉田松陰と高杉晋作の名前は知っているけど、どんな人なのか知らない人におすすめなのが、長州藩士の2人を描いた『世に棲む日日』です。
長州藩士の2人で知っていることは、吉田松陰が松下村塾で高杉晋作が奇兵隊ぐらいで、2人の人間性を知らない人は多いでしょう。
一応、吉田松陰と高杉晋作の2人が主人公ではあるけど、高杉晋作の方がメインの気がするので、高杉晋作に興味がある人はぜひ読んでください。
翔ぶが如く(全10巻)
今回ご紹介する司馬遼太郎作品の中で、個人的に一番におすすめしたいのが、西郷隆盛と大久保利通を主人公にした『翔ぶが如く』です。
『翔ぶが如く』は西郷隆盛がメインなので、大久保利通のことも分かりますが、西郷隆盛ことを深く知りたいならぜひ読んでください。
坂本龍馬が「小さく叩けば小さく響き、大きく叩けば大きく響く」と言ったことが、本当なのかどうかも、読んで行くと分かるでしょう。
花神(全3巻)
靖国神社で銅像になっていて、かなり変わった人だったらしい、長州藩の医師・村田蔵六(大村益次郎)を主人公にしているのが『花神』です。
『峠』に出て来た河井継之助と同じように、村田蔵六もかなり先見の明があり、薩摩が暴発して西南戦争を起こすと予言をしていました。
最後は暗殺されてしまいますが、もし村田蔵六が殺されることなく明治時代に生きていればと、『花神』を読んだら思ってしまうでしょう。
幕末から明治のおすすめ短編!
上記の9作品の他にも、幕末の短編におすすめの作品があり、簡単ではありますが3作品ほどご紹介します。
短編なので、長編ほどの面白さはないかもしれませんが、長編を読んでちょっと疲れたときなどに読むのがおすすめです。
新選組血風録
主人公は、新選組の土方歳三と沖田総司で、かなり人気のある短編小説として読まれているが、フィクションの部分が多いので、史実と勘違いしないように。
酔って候
土佐藩・宇和島藩・薩摩藩・肥前藩の藩主が主人の短編集で、表題の『酔って候』でもある土佐藩主の山内容堂(豊信)が、一応メインになっています。
幕末
幕末の暗殺事件もモチーフにした短編集になっており、さまざまな登場人物が出て来るので、ちょっとだけ司馬遼太郎作品が読みたいときに良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介した司馬遼太郎のおすすめ作品9選!戦国時代よりも面白い幕末から明治編!はどうでしたか?
戦国時代が好きだった人も、司馬遼太郎の幕末から明治の作品を読んでしまったら、一瞬で幕末や明治の英傑を好きになってしまうでしょう。
司馬遼太郎作品の一部に、史実と異なるフィクションを含んではいるけど、英傑たちの人となりが分かるので、ぜひ興味がある人は読んでください。
おすすめの読み順は、まず簡単に読める『燃えよ剣』から始めて、次に『竜馬がゆく』を読み、徐々にディープな幕末から明治の作品にすることです。
すべてを読み終えたり、途中で読み疲れてしまったときは、最後にご紹介した『幕末』や『酔って候』などの短編をおすすめします。
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